Xcodeでは、プロジェクト作成時にプラットフォームとテンプレートを選択することが重要です。それぞれの選択によって、開発効率やアプリケーションの特性に影響します。
本記事では、各テンプレートの違いや適切な使用シーンについて詳しく解説します。
目次
Xcodeプロジェクト作成時の基本的な流れ
- プラットフォームの選択: 開発対象となるデバイスやOSに基づいて選択します。
- 適切なテンプレートの選択: プロジェクトの目的に応じたテンプレートを選択します。
- プロジェクト設定の調整: 名前、バンドルID、ターゲットデバイスなどを設定します。
プラットフォームの選択基準

iOS
スマートフォンやタブレット向けのアプリを開発する場合。iPhoneやiPad向けのアプリケーションが対象です。
macOS
デスクトップ向けアプリケーションやSafari拡張機能を開発する場合。マウスやキーボード操作を前提としたアプリが多いです。
watchOS
Apple Watch専用アプリを開発する場合。短時間のインタラクションを前提とした軽量アプリが適しています。
tvOS
Apple TV向けのアプリケーションを開発する場合。大画面とリモコン操作に最適化されたアプリが必要です。
visionOS
Vision Pro用のアプリを開発する場合。視覚的な没入体験を重視した開発が求められます。
DriverKit (macOS)
ハードウェアドライバやシステム拡張を開発する場合。システムレベルの機能追加を目的とします。
マルチプラットフォーム
複数のプラットフォームで動作するアプリやライブラリを開発する場合。同一コードベースで複数デバイス対応が可能です。
各テンプレートの用途と適切な使用シーン

Applicationテンプレート
App
- 用途: SNSアプリ、タスク管理アプリ、ショッピングアプリなど
- 特徴: UIを伴う基本的なアプリ開発向け
Document App
- 用途: テキストエディタ、PDFビューア
- 特徴: ファイルの作成や管理機能を備えたアプリ
Game
- 用途: 2Dパズルゲーム、3Dアクションゲーム
- 特徴: ゲームエンジンの選択とグラフィック処理の最適化が可能
Augmented Reality App
- 用途: ARナビゲーション、家具配置シミュレーター
- 特徴: 現実世界とデジタルコンテンツを融合した体験
App Playground
- 用途: SwiftUIコンポーネントのテスト、コードスニペットの試行
- 特徴: 短時間でコード検証が可能
Sticker Pack App
- 用途: キャラクターステッカーアプリ
- 特徴: コードレスでステッカーを提供可能
iMessage App
- 用途: チャット内投票アプリ、クイズゲーム
- 特徴: メッセージアプリ内での独自機能提供
Safari Extension App
- 用途: 広告ブロッカーやパスワードマネージャー
- 特徴: Webブラウジング体験の拡張
Framework & Libraryテンプレート
Framework
- 用途: カスタムUIコンポーネント、データ解析ライブラリ
- 特徴: モジュール化されたコードの再利用が容易
Static Library
- 用途: 暗号化機能やデータ操作の軽量モジュール
- 特徴: 実行時のリンクが不要で軽量
Metal Library
- 用途: ゲームグラフィックスや3Dレンダリング
- 特徴: Metal APIを活用した高速処理
DriverKitテンプレート (macOS)
System Extension / Driver Extension
- 用途: USBドライバ、キーボードカスタマイズ
- 特徴: システムレベルの機能拡張
マルチプラットフォームテンプレート
Multiplatform App
- 用途: ノートアプリ、クラウド同期型アプリ
- 特徴: iOS、macOS、watchOS、tvOSなど複数対応
Multiplatform Game
- 用途: クロスプラットフォームゲーム
- 特徴: 共通ロジックを使用し異なるデバイスで動作
Multiplatform Framework
- 用途: データ解析、UIコンポーネント
- 特徴: 各プラットフォームでの再利用が可能
Multiplatform Playground
- 用途: 新しい技術の試行や検証
- 特徴: 軽量で迅速なテストが可能
Xcodeのテンプレートを正しく選ぶことで、効率的な開発が可能になります。プロジェクトの目的に応じて最適なテンプレートを活用し、開発をスムーズに進めましょう。
