国産CSPM「Shisho Cloud byGMO」とは?開発組織のための脆弱性診断ツールの機能・料金・導入事例を徹底解説

クラウドファーストが当たり前となった現代において、AWSやGoogle Cloudなどの設定ミスによる情報漏洩事故が後を絶ちません。そんな中、日本発のクラウドセキュリティツール「Shisho Cloud byGMO」が注目を集めています。本記事では、CSPMの基礎知識から、Shisho Cloudの詳細機能、料金体系、実際の導入事例まで、セキュリティ担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。

目次

Shisho Cloudとは?概要と基本機能を理解しよう

Shisho Cloud byGMO - 開発組織の...
Shisho Cloud byGMO - 開発組織のための 脆弱性診断ツール Shisho Cloud byGMO (シショウ クラウド) は開発組織のための 脆弱性診断ツールです。AWS等のクラウド、Webアプリケーション、API。 開発を守るセキュリティをもっと手軽に...

Shisho Cloud byGMOの基本概念

Shisho Cloud byGMO(シショウクラウド)は、GMO Flatt Securityが開発した開発組織のための脆弱性診断ツールです。AWS等のクラウド、Webアプリケーション、APIまで、開発を守るセキュリティをもっと手軽に、効果的に提供します。

2023年8月23日に正式版がリリースされ、Cloud Security Posture Management(CSPM)の実現のための製品として、AWS/Google Cloud上のリソースの設定がセキュリティ的に良さそうか、改善できそうかというのを検査してくれる製品です。

開発組織が抱えるクラウドセキュリティの課題

現代の開発組織が直面する主なクラウドセキュリティ課題は以下の通りです:

課題具体例影響
設定ミスの発生S3バケットの公開設定ミス、IAM権限の過剰付与情報漏洩、不正アクセスのリスク
マルチクラウド管理の複雑さAWS、GCP、Azureそれぞれの仕様把握管理工数の増大、見落としの発生
専門知識の不足セキュリティ設定の最新ベストプラクティス潜在的な脆弱性の放置
継続的な監視の困難さ設定変更の検知、コンプライアンス確認リスクの増大、監査対応の負担

従来のセキュリティツールとの違い

従来のCSPM製品との大きな違いは、自社固有の検査項目の追加や、既存の検査ルールのきめ細やかな調整が可能であることです。多くの組織が共通して抱えるクラウドセキュリティリスクへの理解不足という課題を、技術者の邪魔になることなく解決します。

  • プログラマブルな設計:Policy as Codeによる柔軟なカスタマイズ
  • 日本企業向け最適化:日本の企業文化や開発フローに適合
  • 開発者フレンドリー:エンジニアが使いやすいインターフェース
  • 伴走型サポート:専門家による導入・運用支援

CSPMとは?クラウドセキュリティの重要性

Cloud Security Posture Managementの基礎知識

CSPM(Cloud Security Posture Management:クラウドセキュリティポスチャー管理)とは、クラウドサービスの設定監視に特化したセキュリティソリューションです。クラウド環境専属のセキュリティガードのようなもので、設定に潜む可能性のある誤設定の問題やコンプライアンスリスクを常に監視します。

CSPMの主要機能説明効果
設定ミスの自動検知IaaS/PaaSの設定を定期的にスキャン人的ミスの早期発見
コンプライアンス監査GDPR、SOC2、HIAAなどの基準準拠確認規制要件への自動対応
リスクの可視化ダッシュボードでセキュリティ状態を表示現状把握と優先度付け
自動修復提案検出された問題の解決方法を提示対応工数の削減

クラウド設定ミスがもたらすリスクと実例

McAfee社が11か国1,000社を対象に調査したところ、毎月発生する設定ミスの内約99%は認識できていないという結果になりました。これは、設定ミスの多くが組織にとって「見えないリスク」となっていることを示しています。

リスクカテゴリ具体的な脅威実際の影響例
データ漏洩S3バケットの意図しない公開機密文書、個人情報の流出
不正アクセスIAM権限の過剰付与システムへの侵入、データ改ざん
可用性の低下セキュリティグループの誤設定サービス停止、接続障害
コンプライアンス違反ログ設定の不備監査失敗、罰金・制裁金

なぜCSPMが必要とされているのか

Gartnerの予測によると、2026年までに、クラウドセキュリティの優先事項としてクラウドの設定ミスの防止を挙げる組織は、2021年の25%から60%にまで増加するでしょう。

  • クラウド利用の急速な拡大:DXやテレワークの推進により、クラウド依存度が増加
  • 設定の複雑化:新サービスの頻繁なリリースにより、把握が困難に
  • 規制要件の厳格化:個人情報保護法やGDPRなどの法規制強化
  • 人材不足:セキュリティ専門家の慢性的な不足

Shisho Cloudの主要機能と特徴

自動クラウド診断(CSPM)機能

Shisho CloudはAWS・Google Cloudのリスクを自動的・継続的に検査し、検出されたリスクはリアルタイムで通知されます。主要な機能は以下の通りです:

機能対応クラウド診断内容
リソース設定診断AWS、Google Cloud、AzureIAM権限、ネットワーク設定、ストレージ設定
コンプライアンスチェック全対応クラウドCIS Benchmark、AWS Well-Architected
継続監視全対応クラウド設定変更の自動検知、定期スキャン
リスク管理全対応クラウド対応ステータス、リスク判断の記録

自動Web脆弱性診断(DAST)機能

2024年8月19日より提供開始された自動Web脆弱性診断(DAST)機能は、外部から自動的に模擬攻撃を実施することで、Webアプリケーションの脆弱性を検出する機能です。

DAST機能の特徴詳細メリット
自動クローリングWebアプリケーション内のエンドポイントを自動発見手動設定の工数削減
認証対応ログイン機能のあるアプリケーションにも対応実運用環境での診断が可能
継続診断定期的な自動実行開発サイクルに組み込み可能
詳細レポート脆弱性の詳細と修正方法を提示開発者が対応しやすい

Policy as Codeによるカスタマイズ性

Shisho Cloudの強みの一つは、セキュリティポリシーをコードとして表現して検査を自動化できることです。「このタグがついていたら例外扱いする」「この命名規則に従っていたら緊急度を下げてレポートする」というようなカスタマイズが自分たちの基準で行えます。

# Shisho Cloudの検査ルール例
version: 0.1.0
id: "custom-s3-policy"
name: "カスタムS3セキュリティポリシー"
triggers:
  schedule:
    - cron: "0 */6 * * *"  # 6時間毎に実行
jobs:
  - id: s3-bucket-encryption
    name: S3バケット暗号化チェック
    decide:
      rego: |
        package s3_encryption
        
        # 暗号化が無効なバケットを検出
        violation[{"msg": msg}] {
          input.resource.type == "AWS::S3::Bucket"
          not input.resource.encryption_enabled
          msg := "S3バケットの暗号化が無効です"
        }
        
        # 特定タグが付いている場合は例外
        violation[{"msg": msg}] {
          input.resource.type == "AWS::S3::Bucket"
          not input.resource.encryption_enabled
          not input.resource.tags["Environment"] == "development"
          msg := "本番環境のS3バケットの暗号化が無効です"
        }
  • Regoコード:Open Policy Agentの言語で柔軟なルール定義
  • GraphQLクエリ:必要なデータのみを効率的に取得
  • YAML設定:実行タイミングや通知設定の管理
  • 例外処理:組織固有の要件に応じた除外ルール

他のCSPMツールとの比較と選定ポイント

主要競合製品との機能比較

製品名対応クラウドカスタマイズ性日本語サポート価格帯
Shisho Cloud byGMOAWS、GCP、Azure高(Policy as Code)フル対応月額2.25万円〜
Prisma CloudAWS、GCP、Azure、他部分対応要問合せ
Microsoft DefenderAzure、AWS、GCP対応要問合せ
CrowdStrike FalconAWS、GCP、Azure部分対応要問合せ
AWS Security HubAWSのみ対応従量課金

Shisho Cloudの独自性と強み

強みカテゴリ具体的な特徴ユーザーメリット
カスタマイズ性Policy as Code、Regoコード対応組織固有のルール設定が可能
日本企業対応日本語フルサポート、国内法規制対応導入・運用の障壁が低い
開発者体験GitHub連携、Slack通知、API提供既存ワークフローに組み込みやすい
サポート体制専門家による伴走型支援導入から運用まで安心
統合診断クラウド+Web診断の一元化管理工数とコストの削減

導入時の検討すべき要素

検討項目チェックポイントShisho Cloudの対応
対応クラウド利用中のクラウドサービスをカバーしているかAWS、GCP、Azure、主要SaaS対応
組織規模リソース数、ユーザー数に対応可能かスタートアップ〜大企業まで対応
技術レベルチームのセキュリティ知識レベル専門知識不要、専門家サポートあり
既存ツール現在のセキュリティツールとの連携API、Webhook、各種通知に対応
予算初期費用、月額費用、ROI明確な料金体系、無料トライアル

料金体系と導入プロセス

料金プランの詳細と費用対効果

Shisho Cloudは、定額枠150リソースを含む月額基本利用料22,500円で、AWSやGoogle Cloudや各SaaSなど管理対象のサービス内容とリソース数に応じて料金が変動します。一般的なSaaSなら10万円以内で利用できます。

料金プラン基本料金含まれるリソース数追加料金
スタンダード月額22,500円150リソースリソース数に応じて従量
DAST機能月額20,000円台〜エンドポイント数による診断対象数に応じて変動
クラウド診断(CSPM)無料DAST利用時Web診断と同時利用時は無料

導入から運用開始までの流れ

フェーズ期間作業内容サポート内容
1. 事前準備1-2週間要件整理、権限設定準備導入コンサルティング
2. 初期設定1週間クラウド連携、基本ルール設定技術サポート
3. カスタマイズ2-4週間独自ルール作成、通知設定Policy as Code支援
4. 試験運用2-4週間検出結果確認、ルール調整運用最適化支援
5. 本格運用継続定期レビュー、ルール更新継続サポート

サポート体制と伴走型支援

セキュリティ分野で多数の実績を残してきたFlatt Securityの専門チームが、導入開始から継続的な活用までを伴走型でサポートします。各企業のニーズに応じた活用方法の提案や、検出結果に対するアドバイスなどを通じて、クラウドセキュリティの継続的運用を支援します。

  • 導入支援:要件定義から初期設定まで専門家がサポート
  • カスタマイズ支援:組織固有のセキュリティポリシー実装
  • 運用サポート:検出結果の解釈、対応優先度の助言
  • 定期レビュー:セキュリティ態勢の継続的改善提案

実際の導入事例と効果

企業規模別の活用事例

企業規模業界導入目的効果
スタートアップSaaS創業期からのセキュリティ基盤構築専門知識なしでセキュリティ強化
中堅企業Eコマース急成長に伴うリスク管理強化設定ミスの早期発見、工数削減
大企業金融コンプライアンス対応の自動化監査対応工数50%削減
大企業製造業マルチクラウド環境の一元管理セキュリティ可視性の向上

導入後の効果と改善点

実際にShisho Cloudを導入した企業からは、以下のような効果が報告されています:

効果カテゴリ具体的な改善数値実績例
工数削減手動でのセキュリティチェック不要月40時間→5時間
リスク軽減設定ミスの早期発見重大インシデント0件継続
可視性向上全社セキュリティ状況の把握リスク把握率99%向上
コンプライアンス監査対応の自動化準備期間50%短縮

ユーザーの声と評価

株式会社ヤプリでは「Shisho CloudはSREとセキュリティエンジニアのギャップを埋めるコミュニケーションツールとしても機能しています」と評価されています。

また、「Shisho Cloudでは、検出結果そのものだけでなく、その背景や対処法についても丁寧に解説しています。いずれも実務に根ざした納得感のある説明で、中には今までにはない気づきもあり、大変勉強になりました」という声も寄せられています。

  • 開発チームとの連携強化:技術的な説明により、開発者の理解が深まる
  • 学習効果:単なる指摘ではなく、教育的価値も提供
  • 実用性:実際の開発現場に即した実践的なアドバイス
  • 継続改善:定期的な見直しによるセキュリティレベル向上

まとめ:Shisho Cloudが適している組織と次のステップ

導入を検討すべき組織の特徴

組織特徴課題Shisho Cloudの適用メリット
クラウドネイティブ企業AWS/GCP中心の開発・運用専門的なクラウドセキュリティ知識を補完
急成長企業セキュリティ体制の整備が追いつかない専門人材不足を技術でカバー
コンプライアンス重視金融・医療など規制業界自動監査でコンプライアンス負荷軽減
開発重視組織セキュリティがボトルネックになりがち開発フローに組み込める自動化
日本企業海外ツールの日本語対応不足国産ツールによる手厚いサポート

導入前の準備事項

  • 現状把握:利用中のクラウドサービス、リソース数の整理
  • 体制確認:セキュリティ担当者、開発チームとの連携体制
  • 要件定義:重視するセキュリティ項目、コンプライアンス要件
  • 予算計画:初期費用、運用費用、ROI目標の設定
  • 権限設定:各クラウドサービスでの適切な監査権限準備

問い合わせ方法と評価版の活用

Shisho Cloud byGMOの導入を検討している場合は、以下のステップで進めることをお勧めします:

ステップ内容期間成果物
1. 情報収集公式サイトでの資料請求即日製品資料、料金表
2. 相談専門家との要件ヒアリング1週間課題整理、提案書
3. 評価版実環境での試行利用2-4週間検出結果、効果測定
4. 導入判断ROI計算、導入計画策定1-2週間導入決定、実装計画

クラウドセキュリティは、もはや「あったら良い」ものではなく「なければ困る」必須の取り組みです。Shisho Cloud byGMOは、日本企業の開発組織に最適化された国産CSPMツールとして、技術的な優位性と手厚いサポート体制を兼ね備えています。

設定ミスによる情報漏洩事故が起きてから対策するのではなく、事前にリスクを把握し、継続的に改善していく体制を構築することが重要です。まずは評価版を活用して、自社環境でのShisho Cloudの効果を体感してみることをお勧めします。

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