「カジュアル面談出てくれない?」と言われたエンジニアへ
採用担当から「今度の候補者さん、現場のエンジニアにも出てもらいたいんですけど」とSlackが来る。引き受けたものの、当日になって困る。何を話せばいいのか分からない。会社紹介スライドを読み上げるのは採用担当の仕事だし、技術の話をすればいいのか、チームの話をすればいいのか。
実は、エンジニアがカジュアル面談に出る最大の価値は「この会社で働く未来の解像度を上げること」です。採用担当には出せない、現場のリアルを伝えること。それだけで候補者の目の色が変わります。
本記事では、カジュアル面談に呼ばれたエンジニアが意識すべき3つのポイントを紹介します。
意識すべき3つのこと
1. 「制度」ではなく「日常」を話す
候補者が知りたいのは、制度の一覧ではなく「実際の1日がどう回っているか」です。
「スクラムを導入しています」は採用ページに書いてある。候補者が本当に聞きたいのは、「朝会は何分で何を話してるのか」「PRレビューは誰がどのくらいの速さで見てくれるのか」「スプリントの振り返りで実際にどんな改善が生まれたか」という一次情報です。
- ❌ 「スクラムでアジャイル開発をしています」
- ✅ 「2週間スプリントで回していて、水曜にレトロをやってます。先月はレトロで出たアイデアからCI/CDのパイプラインを改善して、デプロイ時間が半分になりました」
後者を聞いた候補者は、「自分がそのレトロに参加している姿」を想像できます。具体的なエピソードが1つあるだけで、話の説得力がまるで変わります。
2. 「技術選定の”なぜ”」を語れるようにしておく
「技術スタックは何ですか?」はカジュアル面談で必ず聞かれる質問です。ここで「TypeScript、Next.js、PostgreSQLです」と列挙するだけだともったいない。
候補者が本当に知りたいのは「なぜそれを選んだのか」。技術選定の背景には、チームの規模、プロダクトの特性、将来の方向性が詰まっています。それを話せるのは現場のエンジニアだけです。
- ❌ 「フロントはNext.js、バックエンドはNestJSです」
- ✅ 「最初はExpressだったんですが、APIが50本を超えたあたりで構造化の限界を感じて、NestJSに移行しました。DIコンテナが欲しかったのが一番の理由です」
技術選定の経緯を語ると、候補者は「このチームは技術的な判断をちゃんと議論して決めている」と感じます。それが「ここで働きたい」に繋がります。
3. 「課題」を正直に話す
意外に思うかもしれませんが、チームの課題や「まだできていないこと」を話す方が候補者の興味を引きます。完璧なチームの話を聞いても「自分が入る余地がない」と感じるからです。
- ❌ 「テストもCI/CDも完璧に整っていて、何も困ってません」
- ✅ 「正直テストカバレッジはまだ全然足りてなくて、E2Eテストの基盤づくりをやりたいんですが手が回っていないんです。ここを一緒にやってくれる人が来てくれたら最高ですね」
課題を正直に共有すると、候補者は「自分が入ったら何ができるか」を具体的にイメージできます。入社後のミスマッチも防げるので、お互いにとってプラスです。
逆にやらない方がいいこと
- 会社紹介スライドを読み上げる:それは採用担当の仕事。エンジニアが出る意味がなくなる
- 技術マウントを取る:「うちの技術レベルは高い」アピールは候補者を委縮させる。対等な立場で話す
- 面接のように質問攻めにする:カジュアル面談は選考の場ではない。候補者が「聞きたいことを聞ける」空気を作る
- 守秘義務に抵触する話をする:熱が入ると社内のデータや数字を出しすぎることがある。話していい範囲を事前に確認しておく
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まとめ:エンジニアにしか見せられない「未来」がある
- 「制度」ではなく「日常」を話す。スクラムの説明ではなく、先週のレトロで何が起きたかを話す
- 技術選定の「なぜ」を語る。スタックの一覧ではなく、選んだ理由と背景を伝える
- 課題を正直に共有する。候補者が「自分が入ったら何をするか」をイメージできる
- スライドの読み上げ・質問攻め・技術マウントはNG
採用担当が話す「会社説明」と、現場エンジニアが話す「日常のリアル」は、まったく別の情報です。候補者がカジュアル面談で本当に求めているのは後者。「ここで働いたらどんな毎日が待っているか」が見えた時、人は「この会社で働きたい」と思います。次にカジュアル面談に呼ばれたら、身構えずに「最近チームで起きた面白い出来事」を1つ用意しておくだけで十分です。
